2026/1/17 07:14

本の紹介

果てしない物語

『果てしない物語』という邦題が、私はとても好きです。
それだけで、終わりのない時間や、永遠の余白を思わせるから。
気付けばこの本は、いつもそばにありました。

物語の中に登場する「幸運の竜」。
その存在は、強さよりも、やさしさと繊細さによって記憶に残ります。
守るために飛び、寄り添うために在る竜。
私はあの姿に、物語が持つ本当の力を見た気がしました。

この物語で、何より大切なのは、少年が現実へ戻ったあとも、物語が終わらないことです。
本の中で続き、現実の中でも、形を変えて続いていく。
物語は逃避ではなく、生きるための通路なのだと、この本は静かに教えてくれます。

作者エンデは、命や時間、そして「終わり」について書き続けた人でした。
終わりがあるからこそ、物語は始まり、続いていくからこそ、人は生きていける。

エンデという店の名前は、この本から受け取った感覚と、深く結びついています。
どこか遠くを想いながら、それでも現実に立ち戻り、生きていくこと。

『果てしない物語』は、私にとって理想の物語であり、この場所が目指している在り方そのものです。